暴君を賛美する中国ドラマ『大秦賦』

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暴君・始皇帝を賛美する中国ドラマ

(本文抜粋)

神州大地」とは古くからある中国の自称だが、近年ブームになった荒唐無稽な抗日神劇(神ドラマ)や、最近盛んに作られている歴史神劇を見ると、「神州大地」というより「神劇大国」が適しているのではないかと思えてくる。いま話題の連続ドラマ『大秦賦(ターチンフー)』もその1つ。暴君として有名な始皇帝が、今作中では人々に敬愛される仁君で、人民を苦難に満ちた生活から解放するため中国を統一し、幸福な生活をもたらす救世主として賛美されている。歴史の真実から乖離した内容に歴史学者らはあきれているが。(中略)高圧的な中央集権・官僚主義国家となった秦は、強大な軍備を維持するためさまざまな名目の税金を課し、苛酷な法律で多くの人民を処罰した。強権と暴政は、強国だった秦が自身へ刺した2本の矢だ。秦王朝は中国統一後、たった15年で滅亡した。歴史は繰り返す。独裁国家の運命は、2000年前も今も変わらない。

 

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中国で秦の始皇帝を扱った国営中央テレビのドラマ「大秦賦」が物議を醸している。始皇帝は初の中国統一を成し遂げたが、激しい言論弾圧を行い圧政を敷いたとされる。会員制交流サイト(SNS)には「暴君の礼賛」「歴史の美化」との声も。習近平指導部による集権を正当化する狙いではないかと懸念する人もいる。紀元前221年、秦王は他国を滅ぼして初の皇帝に。貨幣や文字、度量衡を統一した。一方で言論弾圧焚書坑儒」や、「法家思想」による厳しい統治は中国で批判的に受け止められてきた。「大秦賦」は全78話。昨年12月に公開されると、SNSでは迫真の戦闘場面や豪華な出演者への関心に加え、「暴政賛美だ」との主張が出た。武漢大学の歴史学者馮天瑜教授は文章で「比類ない暴君を政治的高みに押し上げた」と批判。「人民による政治は君主統治より強い」と、専制君主による集権政治の美化に警鐘を鳴らした。

 

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