「自分たちで国を守れる防衛体系」を骨抜きにした首相

新春特別対談『大胆予想!2023年を占う、日本の政治と世界情勢』- YouTube

こういう情勢の中で、防衛費の43兆円が決まって、防衛増税まで出て来てるわけなんですが、この日本の、国防の在り方の観点から先ず見てみて、今回の決定はどんな風にご覧になってますか?

日本の所謂「平和ボケ」と言われる「憲法9条」とか「専守防衛」で、それを拡大解釈して、軍事費をGDPの1%未満にするという、異常な”国を守らない体制”が長く続いていた、それについて1%を突破するということは、第二次安倍政権がレールを敷いたものに、そのまま乗っかって、防衛三文書の改訂という形で「2%くらいやりましょうかね」と、43兆円という数字が出て来た。これについては当たり前に評価していいんでしょうね、ただ、ウクライナ戦争があってやらないという選択肢はそもそも、誰が日本の総理でもやらざるを得なかった展開だったわけで、岸田さんを褒める筋合いのものではないんです。

だとすると、今回の経緯は極めて無残。独立国である事を捨ててる展開を見せた事について岸田政権を全く評価できないということになりますね。スタートは、岸防衛大臣を事実上、統一教会問題にかこつけて、夏の内閣改造で更迭しましたね。で、その前の7月1日付で、防衛三文書の改訂に辣腕をふるっていた島田和久前防衛事務次官を任期終了をもって切ったわけですね。これについて安倍さんは非常に怒っていました。何故かというと、第二次安倍政権で作っていたのは、日本が、日本人の独立した国家として、きちんと国を守れるようにしましょうという防衛三文書を作り、そういう防衛力増強をしようと「哲学」に基づいて作っていたものだったんですね。ところが岸田さんは、キーマンだった岸さん、島田次官を解任したわけです。安倍さんの想定していたような形で国防を強化して行こうと思うなら、変える必要が無かった。変えた先に出て来たものは、質的にも、量的にも、極めて矮小化されているんですよ。

元の原型を私は知っているものですから。岸防衛大臣と島田次官を解任して、浜田靖一さんのような人を防衛大臣にして、日本が新たな時代に、ウクライナとか台湾とか、国際情勢が非常に揺らいで来て、アメリカが今までのようには信頼できないんだというところで組み立てていたものが、哲学も、中身も、もう大きく後退してしまっている。しかも、これを決めた記者会見で岸田さんが言って、もう愕然としたのは、「防衛費の抜本的強化というのは、戦闘機やミサイルを買って来ることなんです」と、言い切ったんですね。これ、要するに、岸田文雄という人は防衛三文書を読んでないんですよ。理解できてない、自分で閣議決定した文書を。で、結局「トマホーク500発買います」と。トマホークでは中国の弾道ミサイル、防げませんからね。いま時代は「極超音速滑空体」。そういう意味では、岸田さんによって、本来そのままやっていたら日本が強くなったものを、大事な部分を骨抜きにしてしまったという”防衛力増強”。しかもこれに必要のない増税をするという。岸防衛大臣の時は、アメリカに依存しなくても済むような防衛体系を考えていた、意識的にその路線を取っていたということ。

国家防衛戦略を見ていただくと、その前文は殆ど変わっていないんですね。「国家の防衛とは何か?」「国民の覚悟である」と書いてある。これはオリジナルの文章そのまま。哲学の部分は、アメリカ依存やお金は関係ないから、そのまま残っている。ところが、その後ろにくっ付いて来る、買って来る兵器とか。兵器を買って来るのではなくて、日本で自立して、兵器を作って、弾も作って、自分で自分を守れる体制を作って行こう・・・というお題目も残っているけれど、岸田さんは記者会見で「防衛力の抜本的増強とは、端的に言えば、戦闘機とミサイルを買って来ることだ」と言い切ってしまった。もうこれで語るに落ちてるわけですよね。岸田さんが先ず「防衛力を増強します」「防衛費を相当程度上げます」と最初に言ったのは、日本国民にではなく、バイデン大統領に対して、5月23日の日米首脳会談だったんです。アメリカの大統領にお約束したのが岸田さんの最初の発言なんですよ。日本を向いた防衛費増じゃないということは、本人が明確にしてるわけですよ。軍産複合体とは何か?バイデン政権やウクライナ戦争とどういう関係にあるのか?この動画をご覧の方はもうご存じだと思いますから、岸田さんはその軍門に下ったというのが実態であって、安倍政権時代に脈々と積み重ねて来た「日本の国防の理念」とはかけ離れたものだということです。

公明が「安保3文書」に仕掛けた歯止めとは - 産経ニュース

「中国を『脅威』と書き込まないことは、わが党としての決定だ」昨年12月中旬、安保3文書をめぐる与党実務者協議の途中報告を聞いた公明の北側一雄副代表は、怒気を隠さずこう言い放った。自公協議の最終盤は、中国をめぐる書きぶりに多くの時間が割かれた。「脅威」という文言を書き込むよう求める自民に対し、日中友好を重視する公明が削除を求めていた。

 

 

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