政府の成長戦略会議 メンバーにアトキンソン氏らを起用
政府は成長戦略の具体策を議論するために新たに設置する「成長戦略会議」のメンバーに元金融アナリストのデービッド・アトキンソン氏らを起用する方針で、近く初会合を開くことにしています。政府はこれまで成長戦略を議論してきた「未来投資会議」を廃止し、新たに加藤官房長官を議長とする「成長戦略会議」を設けることにしています。
この会議の民間議員について政府は、元金融アナリストで文化財の修復などを行う会社の社長のデービッド・アトキンソン氏を起用する方針です。このほか「未来投資会議」でも議員を務めていたIT関連企業会長の金丸恭文氏や、慶應義塾大学名誉教授の竹中平蔵氏、国際政治学者の三浦瑠麗氏らを充てることにしています。
⚠ デービッド・アトキンソン氏:1965年英国生まれ、オックスフォード大学で「日本学」を専攻し、1992年にゴールドマン・サックスに入社したが、マネーゲームに「達観」して2007年に退社したとされている。その後2009年に創立300年余の国宝・重要文化財の補修を手がける小西美術工藝社に入社し、2011年に同社会長兼社長に就任、2017年から独立行政法人国際観光振興機構(通称日本政府観光局)の特別顧問を務めている。
最低賃金の引き上げによる中小再編を主張する、小西美術工藝社(東京都港区)社長のデービッド・アトキンソン氏と菅首相は親交がある。「菅氏はアトキンソン信者」(経産省幹部)といい、こうした側面から再編を促す可能性もある。