佐藤正久：今日も外務省の役人に厳しく言ったんですが「中国側の前向きな行動を強く求める」と。「前向きな行動」ではダメなんです。意味わかんないじゃないですか、これ。「不法行為」とか「挑発行為」を止めるよう強く求めるという風に表現しないと。会話の時に言ってるはずでも外のペーパーが、そういう丸めたような表現になってしまうと非常にわからないし、王毅外相も、菅総理に会った後のぶら下がりで「日本の漁船」と言っていない。「偽装漁船」と言っている。「偽装漁船が敏感な海域に入っているから止めさせろ」と。何で人の国に来て、尖閣は日本の領土と言っているにも関わらず、日本の漁船は入るなとの暴言。そういう事に対して我々は認めるわけにはいかないし、もっと強く抗議しなくてはいけない。
山田吉彦：この、王毅さんの発言を許してはいけないです。これを言われたら、普通ならそれ以降の予定を全部キャンセルしてもおかしくないような事を言ってますから。日本に来て『尖閣は中国の領土だよ』敢えて公言してるわけですね。それを認めていいのか。軽く流すようではこの先が思いやられる。「偽装漁船」含めて、わざわざ言いに来てるんです。そのチャンスをあえて与えているわけですね。その場で否定しなかったら言葉は残りますから、特に今SNSの時代で言葉は消えない。そういう事も考えるとその場で否定しなくてはいけない発言だと思います。この、300日（尖閣に）入っていることに関して、この発言で既成事実化してしまってるんですよ。わざわざ日本に来て、300日入って来ていることを「我々は主権を守る行為をしてるんだ」と、ちゃんと日本で言わせてしまった。ここでブレーキをかける、それを否定しておかないと、中国が今までやって来たこの300日が生きてしまうんです。王毅さんはそういう意味でも今回来ている。今までの進歩を確実に、スタートラインをそこに持って来た。今回の発言はこの一年間、攻撃的に尖閣諸島に展開して来た成果を確実に既成事実化したと言えるのではないでしょうか。
