名目賃金=受け取る給料
実質賃金=物価の影響を除いた賃金、及び、以下2つ
労働分配率:企業が稼いだ粗利益から何%人件費に回すか
生産性:従業員数に変化無しでも生産性が高まれば粗利益が増加
日本の実質賃金は35か国中24位で、1991年と同じ。
バブルが崩壊しても日本の実質賃金は上昇、下がり始めたのは1997年の緊縮財政。デフレ下で物価は下がるが、それ以上に給料が落ち込むという形で下がって行って、今1991年と同じくらい。何故こんな事になったのか?労働分配率が下がって、生産性が上がらないから。
企業経営者は昔と違って今は株主の言うことしか聞かない。株主は自分の利益、配当金を膨らませろと言う。それで国内の賃金水準を抑制するとか、或いは中国などに工場移転すれば利益は拡大する。しかしその分、誰が損するのか?国内の従業員。新しい付加価値を生み出したわけではなく、付け替えただけだから。こういう構造改革がバリバリ行われて来た。それを主導した一人が経団連。そしてもっと重要なのは緊縮財政。
主体的にこのデフレギャップを埋めることが出来るのは政府しかない。例えば政府が消費税廃止をすると一気に総需要が増える。或いは公務員を増強する。更には公共投資。インフラ整備、防災インフラを整えて国民の生命を守りましょうと。デフレギャップが埋まるから総需要が拡大して、我々が投資をし始めて、生産性が上がって国民が豊かになるという話。日本政府がやるべき政策は「財政拡大」。それでデフレ脱却するとGDPが上がる。インフレ率が高まる程、生産性は圧倒的に増えて行く。
高度成長期くらいの、5%程のインフレ率に持って行けば生産性は10%に上がる。上手く行けば毎年10%を超えるペースで高まって行く。皆さんの実質賃金が7年間で2倍になる計算。池田勇人は正にこれをやった。所得倍増計画。7%だと10年間で2倍になる。
今のインフレ率はマイナス。プラスにすればいいのに、それをさせないのが財務省。日本は実は、いま国土計画というものが無い。無いのは日本だけ。97年まではあった。(国土計画を無くすことで公共投資が削減できるようになった)例えば、5年間にどのくらいのインフラ整備をしますという大目標があって、その下に河川については、ここに、この位使います、道路はこう敷いて行きます、というような計画を立てていた。これがあると「あ、ここに道路が敷かれるんだ。今のうちに土地を買って工場を建設しよう。」とか民間が思うわけ。或いは、「設備投資して供給能力を拡大しておくか。」とか。計画に基づいて皆が支出をするし、政府もする事で大成長する。ところが財務省からしてみると、5年間の予算を事前に決める事になる。5年間は支出をし続けなくてはいけなくなる、財務省はそれが嫌。許せないので97年に国土計画が廃止され、政府の実際の支出も公共投資は削られて来た。そういう形で日本国家を滅ぼしつつ、国民の実質賃金を抑制するデフレを継続させているのが財務省。
日本国家のバランスシート。左側が資産で、右側が負債。この右の赤い部分がクローズアップされるわけ。政府の負債、1,404兆円でございますと。事実なんだけど、債務超過は700兆円くらい。政府の債務超過とは、国民の純資産。バランスシートでは必ずそうなる。日本は全体的に資産が負債より多い。