65年前の予言『日本は二度と再軍備できない国になる』

f:id:tabby3:20220205230115j:plain

「アメリカ人も呆れた、属国主義で核武装議論から逃げてきた日本の保守政治家達」

①意図的な属国主義:
日本の政府は、日本の政治家と外務省の官僚は、意図的に、意識的に属国主義。日本はアメリカに占領されて属国化されたわけですけれども、それを日本人が嫌がったかというと恐ろしい事に嫌がってないんですよ。属国主義を本当に嫌がったのは重光葵石橋湛山だけで、後の、吉田茂から岸、池田、佐藤、中曽根、勿論、宮沢は当然なんですけども、橋本、小泉と、全員嫌がってないんです。日本で長期政権を維持出来た人というのは、全員「アメリカから二度と独立しません」と、「独立国にはなりません。自主防衛なんてトンデモナイです」と、そういう態度を取った人だけが長続きしてるんですね。この本を読むとやはり、特に嫌われているのが重光葵石橋湛山。著者は国務省ホワイトハウスの資料を真に受けて「けしからん」と。面白かったのは、東京で勤務している国務省の官僚とCIAが、如何に重光葵と石橋に対して敵対的であったかと。二人とも戦前、陸軍の中国進出にものすごく抵抗した人。「日本人の癖に日本を独立国にしようとしている。こんな奴は許せない」と。戦後の日本で、自民党が殆ど政権を担当してきましたけども、まともな外交政策を主張したのはこの二人だけ。この二人だけが「米軍を完全に日本から撤退させろ」と。日本は独立国になって自主防衛するからと1950年代に言ったわけですね。少なくとも二人だけいた、まともな事を言う日本人が。アメリカが単に「属国にする」という政策を押し付けて来ただけではなくて、自民党の政治家や外務省の官僚、それから日本の保守言論人が、殆ど全員、大喜びして、永久に日本を占領して欲しいと。

②CIAの対日工作:
この本で面白かったのは、CIAがどれくらい日本にお金をばら撒いているかと。秘密資金、もしくは賄賂を受け取って来たのは、自民党だけではなくて、社会党民社党も受け取ってると。保守メディア、雑誌も同じく。

ニクソンと日本核武装論:
1969年から1971年の少なくとも7月まで、ニクソン政権が2年半に渡って佐藤栄作に何度も何度も「日本は早く核を持て。独立して、きちんとした普通の国になれ」と言うのに、佐藤栄作は全く聞く耳を持たないと。ニクソンキッシンジャーが「地政学的に核を持たざるを得ない、そういう運命にある」と納得させようとしても、何故アメリカからそう言われるか佐藤栄作にはわからない。自主防衛したくないから。吉田茂から直接「日本は属国でいいんだ」と教え込まれていて、更に外務省の役人もわからないわけです。問題なのは、2022年の今になっても「今の日本には自主的な核抑止力が必要だ」と、50年前の議論がまだわからない。もう、北朝鮮、中国、ロシアは、今から10年以内、もしくは8年以内に、水爆弾頭を今よりも千数百発、増産するんですけども、それが日本にとってどれほど危険な事かと。既に「核の傘」も機能しないし、ミサイル防衛システムも機能しない、どれだけ危険かということを日本の内閣は閣議で議論しないし、外務省だってみんな逃げるわけでしょう?

国務省の資料によると「神様からいただいた幸運」もしアメリカが文句を言うんだったら、この占領軍憲法を盾に、アメリカに言い返せばいいと。その次が面白くて、これ53年なんですけども、「日本の政治家で憲法を変えたがってるのは大馬鹿者だ」と。当時、吉田茂は保守党の内部で、鳩山一郎重光葵石橋湛山とすごく対立してたんですよ。この三人は最初から「この占領軍憲法は正当性が無い」と。言論の自由や政治的活動の自由が無いところで、米軍が勝手に決めた憲法などはイカサマで、現在でも正統性は無いんです。ところが吉田茂だけは「この憲法だけは絶対に守れ」と。

そういう日本に対して1954年、駐日大使だったジョン・アリソンという人が国務省に提出した報告書に「自分の国の憲法とか、国防政策から逃げ続けている日本人というのは、結局、善と悪の判断が無いんだろう」と。「何が良くて、何が悪いのかということさえ、日本人は議論できない。日本人の行動方針というのは、その場の状況によってどんどん変わると。損か得かという短期的な判断だけで動いていて、何が本来望ましい政策で、何が望ましくない政策なのかを議論する能力が日本人には無い」「日本の政治家は目先の利益を確保すること以外は何も考えていない」と。更に、極東軍の最高司令官だったマグルーダー大将が「吉田茂の日本人には金儲けだけさせていれば良いという企みは、日本人の道徳的な能力を堕落させるだけだ。そういうことをやっていると、日本は二度と再軍備できない国になるだろう」と。

にほんブログ村 ニュースブログへ