第29回分科会『感染予防効果は期待できない』

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第29回分科会 『感染予防効果は期待できない』

鈴木基(国立感染研究所):前回、感染症疫学センターで5~11歳への接種拡大により期待されるインパクトということでシミュレーションをお示しいたしました。ただ、これはデルタ株が流行していて、オミクロン株が登場する前の段階から準備をして前回の分科会でお示ししたものです。ですから、デルタ株を想定して行ったシミュレーションということになります。その後、オミクロン株の流行を踏まえて、更新を進めているところです。ただ、実際のところ、オミクロン株に対する二次感染予防効果、それから、重症度を抑制する効果、特に前者についてはほとんど期待できないということが念頭に置かれるということ。一方で、発症予防効果、重症予防効果については、この世代についてはほとんどエビデンスがないという状況において、どのようにパラメーターを設定するのか、まさにこちらで吟味をしているところです。

森内浩幸(長崎大小児科教授):ここで受けたい理由の中に「もうこんな生活は嫌だ」「日常生活を取り戻したい」とか「痛いのは嫌だけど、早く世の中からコロナが無くなるなら僕たちも協力する」みたいなこと、更には「いじめの対象になるからそれを避けたい」とか、これ全部やっぱり感染予防効果を期待しての発言と思います。イジメになるのも「皆が接種すれば修学旅行に行けるぞ」みたいな中で、接種しない奴がいるからいじめるんだ、そういう事に繋がるわけです。ですが、今の感染予防効果があまり期待できないという事を前提に物事を進めていかないと、例えば子供たちが受けたいとか受けたくないという、親が受けさせたい受けさせたくないという中で、感染予防効果が表に出ていると、今わかっているデータの中では正直ではない議論が進んで行くのを危惧しています、それが逆に裏切られたという気持ちで、ワクチンに対する忌避に繋がっては良くない事かと思いますので。

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