日本のインテリジェンス：
今でも内調とか、公安調査庁とか、ありますけども、やっぱり作る必要はありますよね。特定秘密保護法が出来たから、日米でも、日豪でも、同士国でいろいろとやり取りが出来るようにはなりましたけれども、これはやはり「貸し借り」なんですね。こっちが出せるものが無いと、向こうも出せないですよ。大変価値のあるものですから。彼らは同じような仕事、同じにおいのする人には渡さないんですよ。だから軍が取った情報であれば制服が取りに行くということが大切なんですね。で、情報を取りに行くということがあって、初めて防諜も出来るじゃないですか。この前、JAXAの件がありましたね。あれ、全く氷山の一角ですから。
拉致問題について：
トランプ大統領は拉致問題にも非常に熱心に取り組んでくれたと思うんですね。日本に来た時も、拉致被害者の家族の皆さんに会って下さいと言ったら、何分でもいいよと。それはシンゾーにとって大切なのか？と言うので、いや、私にとって大切ということではなくて、日本にとって大切なんですと。わかった、と。時間は取るよと言って、十分に取ってくれて、アメリカというのは、この北朝鮮との問題は、核問題とミサイル問題で交渉しなくてはいけないと。で、交渉を複雑化させたくないですから、あまり拉致問題にフォーカスを当てたくないんですね。もちろん、かつてのブッシュ大統領も、オバマ大統領も、取り組んではくれましたよ。でもあまり正面からそこにスポットライトを当てたくなかった。だけどトランプ大統領は、それは全く意に介さずですね。マスコミを入れて、ちゃんと会いますよと。で、有本恵子さんのお父さんが来られたんだけど、家族を代表して気持ちを述べておられたんですね。話が長くなったので、日本の事務方が「お父さんちょっと、大統領の予定があるからもうこの辺で」と切りに入ったんですよ。そうしたらトランプ大統領が「いや、この人にとって、とても大切な事を仰っているんだよ。最後まで言わせてあげようよ」と言って、最後まで述べさせたんですよ。
で、最後まで述べた後に有本さんが、これでも言い足りないから「私は手紙を英訳して書いて、あなたのスタッフに渡したから読んでくれ」って言ったんですね。トランプはそれを聞いて、「その手紙を受け取ったのは誰だ？」と自分のスタッフの方に言ったんですね。そうしたらスタッフが「私が受け取りました」と、こう手をあげたんですよ。「こっちに持って来い」と言って取ったんですね。で、安全保障補佐官に渡して、「この手紙をホワイトハウスの俺の机の一番上に置け」と。その後、有本さんに向かって「私のスタッフに渡しても私の手元には永遠に来ないよ。必ず読むからね」と。で、実際に有本さんに返事が来たんですよ。手紙の最後にあの独特な字で「私とシンゾーとで、あなたの娘を取り返す」と書いてあったんですね。有本さんもそれを読んで目に涙を浮かべておられました。
ゴルフのバンカーで転んだ話：
東京オリンピックのコースの、霞が関カントリークラブでね、私と、トランプ大統領と、松山選手の３人でやったんですがね。あれ、みんな打って、サクサクやるんですよ。で、私、バンカーに入れちゃって、右のバンカー、結構深い。みんなサクサク行くものだから遅れちゃいけないと、低い方から上がらなきゃいけないのを高いところから行って、最後の一歩ちょっと高いんだけど、若い時の気持ちで足をかけたら、踏ん張りがきかなくて後ろに行ったんですね。で、後ろに行ったらクルっと回転したんですよ。で、また、ほぼ立ったんだね。慌てて通訳の高尾くんが来てくれて、で二人で出て行ったんですよ。何事もなかったかのように歩いていて、やり過ごそうとしたんだけど、それをテレビ東京がヘリコプターで撮ってた。これを配信して、BBCが流したのをトランプが後で見て、すごく喜んだ。その後、APACか何かの時に、みんなの前で「安倍さんは良いゴルファーなんだけど、すごい体操の選手なんだ。後ろにひっくり返って、立って、そのまま次のプレイに行く。ジムナスティックの選手としても一流だ」と。リーダーのみんなの前で紹介されましたね。
平和安全法制について：
トランプ大統領が最初の段階では「日本が攻撃された時には私たちが守るよね」と。「でも、私たちがやられたら守んないだろう？ちょっと不公平じゃないか。」というチャレンジをするんですね。「違うんだよ。今は平和安全法制を制定して、それによってお互いに助け合う事が出来る同盟になったんだよ。基本的自衛権と直接関りは無いが「武器等防護」という法律で自衛隊は自分たちの武器を守れるんですが、それでアメリカの艦船や航空機も守れるようになったんですよ。実際にアメリカの航空機を守る為にF15が並走したり、アメリカ艦船に日本のイージス艦等が出動してます。これはお互いに信頼関係が無いと出来ません。で、そうなってるんですよと。「そうする為に安倍政権は10％以上も支持率を落としたんですよ」とトランプ大統領に言ったら、「すごい！」と。「安倍さん、グレート！アナタは侍だ！」と言われました。何回かそういうやり取りがあったの。でも私は、それがトランプ大統領一人の感情ではなくて、アメリカ人全体の感情になるんですよ。ですから私は、同盟を維持する為には絶対に必要だったと思いますよね。
