林千勝『歴史的な観点から見て、次に何が起こるか?』

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【衆院選2021版】歴史的な観点から見て、次に何が起こるか? - YouTube

総選挙が始まりました。総裁選から岸田内閣成立、そして総裁選と、こういう流れの中で私が気にとめた事、或いは、皆さんと共有したい事を中心にお話を申し上げたいと考えております。

岸田内閣、皆さんもご存知のように「分配と成長」という事を前面に押し出していますね。これ、分配それから成長、どっちの局面から考えましても、社会政策的にも、経済政策、成長政策的にも、答えは「消費税引き下げ」しかないんですね。消費税廃止という方もおりますけども、消費税引き下げしかないと思うんですね。これを如何に隠すかと、代わりに中規模の打ち上げ花火を上げているというのが岸田内閣ですね、残念ながら。MMT論なども最近言われておりますが、皆さんもご承知の通り、コロナの前に消費税を上げて、日本の消費力は大幅に減退しているわけですからね。消費税を上げて来た経緯を見てもわかるとおり、日本の経済を再生させ、成長軌道に乗せていくには”消費力をアップする”しかないわけであって、その答えは消費税引き下げしかない。これも理屈からもそうだし、現実的経緯からもそうなんですね。

それを岸田首相はこういう風に述べてます。「消費税減税に関して、買い控えや将来税率を戻すと、消費が減退するなど、副作用が大きい」と。これを理由としているわけですけども、全くナンセンスですね。引き上げをした時に”駆け込み需要”というのがあったわけですから、トータルに見てどうかと。トータルの効果というのは圧倒的に、あの場合は消費を減退させるものであるし、その逆を図って行こうという事ですから、彼のその、買い控え云々のナンセンスですね。

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それからもう一つ、消費税率を戻すと消費が減退するなど副作用が大きいと言うんですけど、これも「消費減退する」と言っている。はっきりと。だから戻さないんですよ、消費税を。税率は戻さない。発想が非常に貧困。というかハッキリ言って間違ってますね。大きな目で見て日本経済をどうするかという観点ですね。そして、プライマリーバランスの問題もありますが、消費税の引き下げしかないわけなんですね。それから「所得倍増」「脱新自由主義」。特に「所得倍増」も言わなくなっている。これは私、総裁選が始まる頃に、既に始まる前かな、この事を指摘して、直ぐに有名無実になるという風に申し上げだと思いますが、正にその通りになってますね。「脱新自由主義」の方も言わなくなって来て、たぶん有名無実になって行くでしょう。やっぱりと思うことは「新しい資本主義」という言葉を使ってますね。これを打ち上げているわけですけども、実は深いテーマなんだけど、浅薄に出してるなと感じますね。

先ずひとつは、この失われた20年30年から回復する為には、その前の”日本的なもの”が失われてこうなっているという事は明らかですね。日本の成功体験、成功体験ばかり頼ってはいけませんが、日本的な強みが全部失われてるということは、ひとつは明らかですから、日本的なものをどうするのか、日本的なものに一部戻すのか、それから、日本的なものを再度強化するのか、或いは、日本的なものを更にレベルアップするのかと。「日本をどうするか」という視点がこの言葉には全くないですね。

それからこの「新しい資本主義」といった場合、社会構造をどうするか、経済社会構造をどうするかという視点が大事なんですけども、中間層っていう言葉は別に踊ってますけども、本当にこの、今の日本の社会構造ですね。歪んでいる、多くの方が非常に困ってるわけですね。貧困層も多くなっているわけですけども、この社会構造にどういうメスを入れるかという、そういう観点が本当にあるのかと、そこまで思考を深めるのかということも疑問を持ってますね。「新しい資本主義」という壮大なテーマは、哲学がなきゃいけないし、それからそういった経済思想のベースがなければならないし、歴史的な経緯、歴史的経済思想も踏まえてなきゃいけないし、当然ですけど、経済学的な思想のベースをしっかり持ってなきゃいけない。これはこれからですね。月内に初会合を持って、時々集まって年内に結論を出しましょうというような軽い問題じゃないんですね。本来、これを打ち出すのであれば岸田首相自身が分厚い哲学を、今まで養って構築していて、それを先ず披瀝すると。その上で「新しい資本主義」会議を招集するということでなければ到底成し得ない大きなテーマだと思いますね。

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そして、案の定と言いますか「新しい資本主義」会議メンバーの有識者が決まりましたね。15人ほどで半数近い7人が女性というの話題になってますけども、このメンバーを見ますと、一人一人は学会とか、ビジネス等で頑張っていらっしゃる方々で、特徴としては、例えば、LINEであるとか、AI、ディープラーニングクラウドファンディングですとか。この「新しい資本主義」社会構造的な、或いは、哲学的な思考も深めた上での結論を出さなきゃいけないこの分野において、恐らく、DXだとか、AIと、その花火を見せるというような打ち出し方に止まるんじゃないかなと今から予想されますね。全般に言いますと、とにかく「消費税」という目の前の王道、メインストリームをとにかく見ない。自民党の閣僚全員で見ない、というのがこの岸田内閣のスタート、総選挙の戦い方であるという風に、非常に残念に思っていますね。

日本は、この真ん中に位置していたわけですが、岸田内閣が成立しましてこれが変化して行くだろうかと、そういう期待を持っていいのだろうかという点ですけども、恐らくこの構造における位置付け、或いは、構造そのものは変わらないですね。米中のこの真ん中で草を刈られている日本ですけども、麻生さんは所謂、るロスチャ系統という噂が根強いか、一層色濃くなってますけども、軌を一にして反習近平なりますね。それから、台湾にシンパシーを持つ閣僚も複数いて、ややこちら(右)に動くかなというような気も致いたしますけども、相変わらずと言いますか、野田さんを席次ナンバー2に置いておりましたね。外務大臣も茂木さんに変わらず、シグナルをしっかりこっち(左)に送っているという面もありますね。

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それで岸田派そのものは親中的と、従来から言われているということですね。そして私がやはりと思ったのは今井さんですね。今井尚哉さん。安倍内閣の実力秘書官兼補佐官と言われて、官房長官と並ぶくらいの実力、仕切り方をしていたんじゃないかとも言われて、且つ、CSISからは、皆さんご存じのように、二階氏と公明党と今井氏が”親中”でけしからんと、指摘された経緯もある。

それから、その一方、コロナが始まって、中国人をさんざん受け入れた後、突然、学校の一斉休校ですね。安倍内閣が打ち出したわけですけど、それはあの今井さんの進言じゃないかと言われているわけですね。この今井さんですけども、CSISから左岸に親中という指摘も受けて、そういう立ち位置という見方も多いにあったんですが、今年の4月からはーライル、こちら側のグローバルの投資会社カーラーイルのシニアアドバイザーに就任していると。その今井さんは、岸田さんの総裁選挙の選対の真ん中に、早くから入っておりまして、内閣参与に就任しているということで、今井さんそのものが正にこれを体現してるわけですね。

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ですから、わが国の位置づけは、内閣の交代を持っても変わらないということですね。そして、この総選挙でも自民党が減って、立民が増えようと、逆でもこの位置づけ、この構造には影響は及ぼさないでしょうという風に思われますね。私が歴史的な観点からものを見ていると、自然とこう湧き上がっている懸念というのがあるんですね。僭越ですが、一つの歴史的感性からかもしれませんね。安倍政権下で上場企業の株式が、7年半の間でどんどん外国人投資家に買われたと、外国人株主比率がグンと高くなりましたね。

今までの「日本的なあり方」から全然変わってしまったと。それから配当が外国人投資家に、膨大な額が流れるような構造になったと。それから、不動産ですね。不動産もご存知のように中共、或いは、欧米にかなり買われていまして、特にコロナの中で、東京の不動産というのは世界で一番買われてるんですね。これは中国系もあるでしょうが、欧米系の金融機関や投資ファンドが、相当買ってる。コロナで立ち行かなくなったホテルとか旅館とか、観光施設、その他、いろんな施設がどんどん買われていると。そして特にこの1年、或いは半年ですね。中小企業、マーケットをターゲットにしていたわけですね。上場企業、不動産、そして中小企業マーケットターゲットにして行って、再三言われているように、デービッド・アトキンソンを筆頭に、菅内閣がその方向を推進していたと。

それから、同時に東証の市場区分の見直しというのがありまして、今までの一部・二部・マザーズなどを新しい区分に変えるわけですけど、その新しい基準に適応する為に、上場企業のオーナーが自分の株を放出しなきゃならないというのが、これから大いに起こって来る現象で、それも多分、美味しい銘柄については、どんどん外国人が買って行くと。更に比率が上がっていくという状況なんですね。この状況を踏まえて、これからじゃあ何が起こるだろうかということなんですけど、これはもう私が歴史見ている中でも、何回も経験している話なんですが、コロナは収束するでしょう。集団免疫も出来て来て。今も減ってますね。「PCR検査を少なくしているから減っている」という話もありますし、変異株との競争もあるかもしれませんが、コロナも収束してくるでしょう。そうすると、株式も不動産もデフレ下で買い占められるぞと。日本に政治的、経済政策的な圧力をかけることが出来るグローバリスト(外資)が何を考えるかというと、これ答えはひとつですね。デフレの後はインフレですね。

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