記事抜粋:本作(サンダーマスク)は、ヒットに恵まれない手塚の「冬の時代」真っただ中に描かれたものであり、しかもドラマ終了に併せて連載終了となったことから駆け足の展開となり、時に「失敗作」と評されることもある。しかし、そんな事情と切り離してフラットな目線で読めば、手塚ならではの特撮ヒーローに向けてのアプローチや、意外な読み応えを感じられる野心作と捉えることができるはずだ。さらに驚愕すべきは、本作に登場するデカンダーに協力する秘密組織の名前。これが何と「オミクロン」なのだ。彼らが目論む人類粛清と現在のオミクロン株の猛威が見事に重なるのは、単なる偶然と片付けるべきか――改めて手塚作品の先見性に震えることだろう。
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