「リベラル」という言葉の意味の逆転はなぜ起こったか

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動画:https://youtu.be/G3jtrdwSft8

自由と平等は実は矛盾するんですよ。人間は元々、平等に生まれてないので、例えば生まれつき目や足がご不自由だとか、勉強のできる方、出来ない方、いるわけです。そうすると自由にやらせると当然、格差が出来てしまうので、平等にする為には自由を制限すべきだと、こうなってくるんですね。で、その事由を制限して平等を実現するのが左。いや、自由が一番だ。結果の格差はしょうがない、というのが右。

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自由社の教科書で非常に面白いなと思ったのが、スターリンヒトラーを並べていて、共に独裁者、人権抑圧者として扱っていて、たぶんこういうコンセプトの教科書は他に無いと思いますが、一般的にはヒトラーが右で、スターリンは左と言われているのに、やってる事が同じじゃないかと。同じ強制収容所で、何やってるんですか?

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アメリカでリバタリアン党を作ったデイヴィッド・ノーランのノーラン・チャート。彼は、国家権力vs.個人という軸を作ったんですね。これ応用が利くと思います。今の世界の一番の問題は、グローバリズムと、それに抵抗する動き、と思っています。そこで上にグローバリズム、下にナショナリズムと置いてみたんですね。

イギリスはフランス革命の影響を受けまして、イギリスは階級社会なので、それを壊して行って、個人の自由を最大限に伸ばそう。例えば、参政権をみんなに広げて行って、全部多数決で決めましょう、貴族院も無くしましょう、ということがイギリスに置ける「リベラル」でした。に対して、そういった古い伝統は、理由はわからないけれども価値があるのであって、簡単に壊してはいけないというのが「保守」。アメリカにおいては、そもそも階級社会が無い。富裕層も貧困層もいるんですけど、貧困層がどんどんいなくなって行くんです。何故か?フロンティアです。西部開拓すれば土地が手に入るんですよ。なので、革命を起こすよりは、開拓した方が良い。だからヨーロッパが革命の嵐に巻き込まれた19世紀に、アメリカは只管西部開拓をやって行ったんですね。そうすると、自分の意思で、決断で、頑張れば、財産を築ける社会、正にアメリカン・ドリーム。その代わり、国家はいちいち面倒見ませんよ。 

ところがアメリカも有限だった。1890年に、西部開拓が終わってしまいました。それでも、外からどんどん、ヨーロッパからチャイナから、貧困層が押し寄せて行って「土地くれ!土地くれ!」と言うんですが、もう土地無いですよと。そうすると彼らは西海岸(カリフォルニア)、東海岸(ニューヨーク)に滞留してしまって、どうしたかと言うと、既に土地を持ってる連中の富を分配しろと言い出しました。これに乗っかったのが民主党です。そして格差がピークになったのが世界恐慌の時。職にあぶれた人達が民主党に投票した結果、フランクリン・ルーズベルトが圧勝しまして、中間層や富裕層の財産を税で取って、貧困層に分配するという社会主義的な方向に大きく舵を切りました。右から左に。ところがこのルーズベルト政権が「自分たちこそリベラルだ」と言い出したんです。本当は、彼がやってることは社会主義。しかし、社会主義はテロとか革命と結びつく、ネガティブなイメージ。だから「貧困を見捨てないのが真のリベラルだ」と宣伝して、それが行き渡ってしまったので”言葉の意味”が変わってしまったわけです。

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